快眠と読書
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読書を入眠儀式にしている方は案外多いのではないかと思います。お気に入りの本、読みかけの本を数十分読み、仕事や生活での悩み事などから一時距離を置き、気持ちを切り替えることによって眠りのモードに入りやすくする。読書は無害で有効な睡眠薬がわりになるものだと思います。
このような習慣が身についている人はともかくとして、「よしっ、最近寝つきが悪いし、これから毎日寝る前に本でも読んでみるか」と考えておられる方は、選択する本の種類にも気を配られた方がいいかもしれません。
一日十分と読書時間を決めたとしても、本の内容にのめり込みやすい人は、快眠書としてミステリーや推理物などの長編小説を選択しない方がいいでしょう。ついつい何時間も寝床で本を読み耽ってしまい、続きのあらすじが気になって寝つきが悪くなってしまったということにもなりかねませんから。まだ短編集であるならば区切りも明確ですし、一日一話という風に読み進めていけるので、適しているといえるでしょう。
一般的に、私たちは単純な作業、興味のないことをしていたり、退屈を感じると、眠気をもよおします。学校の授業を受けているときや仕事の会議中に、はたまた難解な文献などを読んでいる時など、知らず知らずのうちに気が遠くなっていた、という経験を多くの方が一度はされていると思います。
このように、眠気をもたらす要素は、「単純」「退屈」「無意味」の3つであるといわれています。この条件を全て満たしているような本があれば、それはその人にとって、最高の「快眠の本」となるに違いありません。読みにくい古文や漢詩、哲学書や思想書、歴史の年表など、自分の興味の範囲外や自分の仕事と全く関係ない本などがこの条件に当てはまります。まったく無意味という観点からは、分厚い辞書や電話帳などもいいでしょう。ものの数ページも読まないうちに、嫌気がさして「寝よっ、と」というように気分の切替えが可能となり、きっと安らかな眠りの世界へと誘ってくれることでしょう。