金縛り
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夜中や朝方に、ふと目が覚めると体が全く動かせない。意識はあるのに声もでず、そうこうしているうちに息苦しさを覚えたり、耳元で話し声が聞こえたり、誰かが側を歩いている音がしたりといったことが起こり、霊現象ではないかと恐怖に震える。懸命にもがいていると、今まで何もなかったようにスッと体が動かせるようになる。多くの方がこのような経験を一度はしているのではないでしょうか。
体が動かせなくなるといった症状は多くの人に共通していますが、その間何を見たか聞いたかということについては人によって様々です。このような現象を俗に「金縛り」と呼んでおり、睡眠中に意識は覚醒に近い状態にありながら、体がまったく動かせない状態のことをいいます。金縛りは、専門的には「睡眠麻痺」とも呼ばれ、心霊現象ではなく生理現象のひとつです。
金縛りは、健康な人でも4割から5割ちかくの人が一生のうち一度は経験するといわれています。思春期や青年期に現れることが多く、男女差はとくにみられないとのことです。
金縛りの原因やメカニズムは以下のように考えられています。
【金縛りの原因】
金縛りは不規則な生活が続いていたり、徹夜や過労、心理的ストレスが高い状態が続くと、これらが引き金となって現れてくるとされています。
【金縛りのメカニズム】
金縛りは「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りの段階に出現します。このレム睡眠中に私たちは夢を見ます。レム睡眠中は脳が覚醒状態に近いにもかかわらず、筋肉(特に骨格筋)は弛緩している状態です。筋肉が弛緩していないと、夢の内容に合わせて体を動かしかねません。これは大変危険なことでありますし、目が覚めてしまうことにもなりますので脳自体がレム睡眠中は体を動かせない状態にしているのです。したがって、何らかの原因でレム睡眠から覚醒に近い状態にいきなり移行してしまうと、筋肉は緊張低下したままなので意識はあるのに体が動かせないという状態になるのです。
金縛りのときに感じたり、見聞する不可解な事象は、幻覚によるものです。つまり夢と現実を混同している状態が金縛りのときに起きているのです。レム睡眠期に色々なことを無意識のうちに想像すると、そのことが知覚のなかに投影されてしまいます。このため、「誰かが側に立っているのではないか」と想像するだけで、実際にそのように感じたり見たりしてしまうのです。
寝入りばな、金縛りにあった時に経験する幻覚を「入眠時幻覚」といい、夜間ふと目覚めたとき(中途覚醒時)に経験する幻覚を「出眠時幻覚」といいます。どちらも珍しいものではありません。
【金縛りの対処法】
金縛りの原因が不規則な生活であったり、疲労やストレスであったりするわけですから、睡眠時間をきちんと取り、規則正しい生活を心がけていれば対処できるといえます。
また、自己暗示をかけるという方法も効果的とされています。「金縛りは心霊現象ではなく、夢にすぎない。だから体が動かないのだ」と普段から何度も自分自身に言い聞かせていると、金縛りに遭遇したときにそのことが思い出されて、苦しみから早く解放されるといわれています。
さらに、金縛りの対処法として睡眠薬を使用し、レム睡眠を減らす方法もあるようです。専門医と相談のうえ実施しなければならない方法です。