睡眠相後退症候群 と 睡眠相前進症候群
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睡眠相後退症候群は、概日リズム性の睡眠障害のひとつで、望ましいとされる時刻に入眠したり覚醒したりすることができず、睡眠の時間帯が大幅に後ろにずれて、固定されてしまった状態をさします。つまり、明け方近くまで眠ることができず、起床するのは昼前後といった、夜行性の生活ないし睡眠のパターンのことをいいます。眠っている時間帯は普通の人と比べてずれていますが、睡眠時間そのものと睡眠の質は確保されているといいます。
一般社会生活を営む人や学生が、この睡眠相後退症候群になると世間に流れる時間帯と自分の生活リズムを合わせることに大きな困難を伴います。
この疾患は、何らかのきっかけで10代で発症することが多く、男性の割合が多いといわれています。また、交代勤務に従事する労働者(特に夜勤者など)は、その就労スタイルから考えて、体内時計の針を外界の24時間リズムに同調(修正)させることが困難であり、この疾患にかかりやすい環境下で生活している人といえるでしょう。
一方、睡眠相前進症候群については、睡眠相後退症候群とまったくの逆で夕方くらいから入眠し、夜が明けきらないうちに覚醒するといった睡眠パターンを示します。
治療法としては、人工的な高照度(2500~3000ルクス)の光を浴びる光療法(高照度光療法)が有効であるとされています。睡眠相後退症候群の人は起床後に最低30分間光を浴び(2時間くらいが望ましい)、夜は明るい光を浴びないよう配慮します。また、睡眠相前進症候群の人については、逆に夜の早い時間に光を浴びるといった方法が採られます。
高照度光療法の役割は、体内時計をリセットすることにあります。毎日一定時間、照射装置の前に座って光を浴びることにより、就寝時刻が少しずつ修正されてきます。そして数ヶ月の期間継続することによって、適切な時間に就寝・起床できるようにしようというものです。また、光療法と同時にビタミンB12の投与も行われることがあります。ビタミンB12が光の感受性を高めたり、睡眠を司るホルモンであるメラトニンの生成、吸収を助けるために働くといわれています。
この睡眠障害は、ずれた時間の幅の大きさにもよりますが自分の意志のみで治すことは難しく、睡眠外来等の睡眠の専門家に相談することが必要です。