快眠・安眠に適した枕とは
普段、私たちが何気なく使っている枕でも、快眠・安眠に適している枕と、そうでない枕があります。
睡眠に適している枕は、体に負担がかからない状態で眠ることが出来ます。逆に悪い枕というのは、体のどこかに負担が生じてしまい、快眠・安眠を得ることが出来ません。
そのためにはまず、体に負担がかからない状態、つまり寝姿勢とはどのような状態をさすのかを理解しておく必要があります。
人間がまっすぐ立ったときの姿勢を横から眺めると、首から腰までの背骨はまっすぐではありません。首(頚椎)が少し前に出ており、胸(胸椎)は逆に後方へ、そして腰(腰椎)は再び前方に出ているように、背骨は首から腰にかけて緩やかな「S字」を描いています。
この背骨の状態を睡眠中にも維持できるような枕が身体に負担のない枕の条件だとされています。さらに睡眠中は常に一定姿勢ではないため、仰向けに寝ていても、横向きに寝ていても自然な姿勢を確保できることが枕の機能として求められます。
以下では、枕の役割、快眠・安眠に適した枕の条件(枕の高さなど)などについて、もう少し詳しく触れていきたいと思います。
【枕の役割】
枕の役割は、頚椎が自然のカーブを描くように敷き寝具と頭・首の隙間を埋めることです。
【枕の正しいあて方】
枕を肩口に当たるまで寄せ、後頭部から首筋の部分を枕にしっかりと受け止めさせることが大切です。頭だけを枕に乗せていると、頚椎の緩やかなカーブが安定しにくくなります。
【枕の選び方】
枕の選び方で重視するポイントは、「形」、「高さ」、「大きさ」、「素材」、「やわらかさ」です。
■「枕の形」に求められることは、どんな姿勢でも(仰向け・横向き)、首の自然なカーブが
保てることです。頭の形に沿った立体的な形になっているかどうかが重要で、枕の中央が
へこんでおり、首筋にあたる部分が少し高くなっていること、寝返りをうったときにも、頭部
が支持されるよう両サイドも少し高くなっていることが理想です。
■「枕の高さ」は、首の長さの長短や後頭部の形、頚椎のカーブの程度、頭部の重さに
よって一人ひとり異なります。ちょうどよい枕の高さは、仰向けになって頭をのせた時に、
顔が真上ではなく、やや下を向くこと。つまり、顎が少し引けた状態で、額と顎を結ぶライン
を横から見ると「5度くらい」の角度になる枕の高さが理想的だといわれています(個人差
はありますが、頭を枕にのせて沈み込んだときの高さが、だいたい6センチくらいとされて
います。横向きになったときは、肩の高さを考慮する必要があるため、もう少し高さが必要
となります)。
高すぎる枕は、首に無理な圧力がかかります。浮き上がった筋肉が一晩中緊張して血行
が阻害されることになるため、肩こりや頭痛の原因になったり、背中の痛みや腰の痛みに
つながることもあります。また、気道が狭くなるため、いびきの原因にもなり眠りを浅くします。
一方、低すぎる枕は、頭が心臓より低くなり、頭に血が上って眠りを浅くします。また、顎が
上を向くため、睡眠中の口呼吸を招きやすくなります。
枕の高さの測り方については、『自分に合った枕の高さを測ろう』を参照ください。
■「枕の大きさ」も、重要なポイントです。睡眠中は一定姿勢であることはないので、寝返り
しても頭が落ちず、肩までしっかり保温できるだけの大きさが必要です。
■「枕の素材」も、見逃せないポイントです。睡眠中は大脳のためにも頭を冷やすことが大切
ですので、熱がこもらない素材・機能が求められます。つまり、通気性に優れ、汗を吸収す
る素材が適しています。また、素材によって頭を乗せたときの感触も異なるため、寝心地を
左右する重要な要素でもあります。
■「枕のやわらかさ」は、枕の素材によって左右されます。寝返りをうった時に、中の素材が
極端に偏ってしまうと枕の高さや形が変化してしまうため、首や肩へ負担を強いてしまい
かねません。しっかりと首を支えてくれるだけの硬さは必要です。
枕は快適で健康的な睡眠を提供してくれる大切な寝具のうちのひとつです。枕の形をしてさえいればいいというものでもありません。ひょっとして、枕は一生ものだと思っていませんか。枕は消耗品で、悲しいかな寿命というものがあります。大切な役割である支持力の無くなった枕は、求められる機能を果たさないばかりか、安眠・快眠の妨げにもなりえます。
枕は消耗品といえども、靴などよりかは遥かに長持ちするものです。少々お金がかかっても自分の健康のためにも、こだわりを持ちながら時間をかけて選びたいものです。専門店へ行けば、ピローフィッターと呼ばれるプロのスタッフが在中しているので、様々な視点からあなたの枕選びを助けてくれます。